ブレッゼルから太陽が3回輝く

ブレッゼルから太陽が3回輝く

ブレッゼルとは?

ブレッゼルはパンの一種で、中央部分が結び目のような形になっており、表面に粗塩がかかっています。基本材料に重曹が含まれているのが特徴です。

パン屋さんやお菓子屋さんによっては、このスタンダードなブレッゼルのほかに、粗塩の代わりにチーズやベーコンの細切れを加えたものや、スイーツ版も売っていることもあります。

プリッツの語源ともいわれているように、スナック菓子のブレッゼルもあり、これはスーパーで売っています。

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食べ方は?

普段から小腹が空いたときに食べたり、アペリティフ(※)やパーティーの時に出されることも多く、特にビールとの組み合わせが好まれてきたようです。

パンのブレッゼルは買ったらすぐに、あるいはその日のうちに食べないと、生地が塩(通常のもの)や砂糖(スイーツ版)を吸って柔らかくなりすぎたり、逆に乾燥して固くなってしまいます。

※アペリティフは、もともと食前酒のことですが、現在では酒類に限らず、食事の前に飲み物やおつまみとともにおしゃべりを楽しむ時間です。

スナック菓子のブレッゼルの方は、包装に表示された賞味期限をご覧ください。

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ブレッゼルの語源

ブレッゼルの語源は、ラテン語で「腕」を意味する「brac(c)hium 」であると一般的に言われています。また、アカデミー・フランセーズのオンライン辞書でもこの説が書かれています。

フランス語の名詞は、男性名詞と女性名詞に分類されるのですが、なんとこのブレッゼルは、どちらでもOKなんです。


参考:

Le Petit Soufflenheim – bretzel-histoire-et-recettes

Outil de consultation du Dictionnaire de l’Académie Française

ブレッゼルの由来にまつわる話

ブレッゼルがどうしてできたのか、諸説あるのですが、一般的に話されているものをご紹介します。

昔々、ひとりのパン屋が領主のためにパンを焼く仕事をしていました。ある日、パンを焼くのに失敗。領主は激怒してパン屋を処刑しようとしましたが、最後のところで考えを変えました。

「太陽が3回輝くパン(菓子)を作ってみろ、そうしたらお前は自由の身だ」と領主は条件を出しました。

パン屋は困り果て途方に暮れていると、妻が腕を組むようにして神に祈りをささげているのが見えました。そこでひらめいたパン屋は、パン生地を長細くして両先を真ん中で交差させました。

領主は3つの穴が開いたパンから太陽が3回輝くのを見て満足し、パン屋を許したとさ。

この言い伝えでは太陽が重要な存在となっています。それはなぜか?ケルト人の太陽信仰に基づいていると考えられています。

ブレッゼルが塩気のあるパンになった理由に関する言い伝えもあるんですよ。

できあがったパン生地をパン屋が釜にいれようとしたところ、猫が台所に侵入して、重曹の入れ物をひっくり返してしまい、重曹がパンにかかってしまいました。しかし新しく生地を作っている時間はありません。パン屋は仕方なくそのままパンを焼きました。それで塩味になったとさ。

ブレッゼル誕生の地と言われる場所

ブレッゼルの形の発明については、名前と場所が明確にされて、別の人物が登場する言い伝えがいくつもあります。共通する話は次の通りです。

イングヴィレール出身のドレバックという名のパン屋は、ある日リシテンベルグ伯の愛人バルバラを非難しました。

リシテンベルグ伯は怒ってパン屋をブクスヴィレールの牢屋に閉じ込めますが、太陽が3回輝くパン(または菓子)を作ることができたら処刑はしないと言いました。

パン屋が嘆いているのを聞き、ユットヴィレールに住んでいた看守がやってきました。この看守はとてつもない力の持ち主で、パン屋のために牢屋の鉄格子をぐいぐいと折り曲げました。それを見たパン屋はひらめき、太陽が3回輝く形のパンを作ることができたとさ。

この言い伝えに登場するリシテンベルグ伯は15世紀に実在した人物で、髭もじゃのジャックとして知られるジャック・ド・リシテンベルグであることが知られています。愛人バルバラは、バルブ・ドッテンハイムで、リシテンベルグ伯の寵姫でした。

力持ちの看守が住んでいたとされるユットヴィレールでは、毎年「ブレッゼル祭り」が開催されます。

イングヴィレール、ブクスヴィレール、ユットヴィレールという3つの町は、リシテンベルグ伯の荘園でした。

イングヴィレールのパン屋さんで買ったブレッゼル

ブレッゼルは12世紀にはアルザスに存在していた

言い伝えによっては、610年に、僧が腕を交差させていた様子から、僧またはパン屋によってブレッゼルが初めて作られたとされています。

最も確実に知られているものは、「快楽の園」という12世紀の写本に描かれているブレッゼルの絵です。この写本は、アルザスの守護聖人を祀る聖オディール山の修道院の修道院長が作成したものです。描かれているブレッゼル穴は3つ開いていますが、長細いパンの両端は交差していません。

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« Source : gallica.bnf.fr / Bibliothèque nationale de France »

この写本が作られてから数世紀後、ブレッゼルはパン屋のエンブレムとなりました。


参考:CRDP-Strasbourg

新年のブレッゼル

新年のブレッゼルは、1年に1回だけの販売、しかもどこのパン屋でも売っているわけではないせいか、私は長い間その存在を知りませんでした。

やや甘味のあるブリオッシュ生地のブレッゼルです。

この楽しい伝統は、新年には代母(※)や代父が代子に、あるいは若い男性が好きな女性に新年のお祝いのためにプレゼントしていたことから続いているそうです。

また、新年のブレッゼルに関しては、形が「無限」を示すとも言われています。

アルザスの人々は、他の人を喜ばせるための創造性に満ちていますね!


参考:

Boulangerie Gwinner – Bretzel-geant-du-nouvel-an

L’Alsace – La tradition du bretzel sucré

ブレッゼルはマルチに活躍するアルザスのキャラクター?バリエーションは限りなく

既に他の多くの人がブレッゼルをコミュニケーションツールに使っているように、私もブレッゼルをロゴに入れました~

Alsace Promenade
Alsace Promenade

ブレッゼルは食品の領域を超えています。その形が想像力を刺激するんですよね!

アルザスグッズのブランド「ブレッゼル・エアライン」は、ブレッゼルのモチーフを生かして、様々な楽しい商品を提供していますし、「メイド・イン・アルザス」その「A」の文字の中にブレッゼルが入っています。

アルザスのシェアブランドマークは、ブレッゼルを含むアルザスの複数のシンボルからできています。

マグネット、キーホルダー、イヤリング、ペンダント、鍋敷き、浮き輪まで・・・

ブレッゼルは、アルザスを代表するキャラクターとして、モチーフになったり、オブジェになったりと自由自在に変化しますよ。

アルザスの陽気さを広めてくれるブレッゼルは、どこにでも登場できます!

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