ホップ発見の小道
ヴィンゲルスハイムという町にある「ホップ発見の小道」は、全長4.5キロの散策コースです。一年中楽しめますが、おすすめはホップが成長して蔓がワイヤーの上まで達する夏。収穫した後は支柱しか見ることができません・・・
スタートはアカシア広場から。町役場から約300メートルのところにあります。小さいながらこの広場には個性的な噴水があって、ウキウキした気分にさせてくれます。水が湧き出る部分はピラミッド形でホップをデザインした飾りがついています。このピラミッドはメタリックで現代的な印象を与えるのに対して、水盤にはバラ色砂岩を使いアルザスの歴史ある建造物を思わせます。しかもこの水盤は12面体という珍しい形です。
ヴィンゲルスハイム村では有料のガイド付き見学も開催されています。詳細はヴィンゲルスハイム村のサイトをご覧ください。
遠くに見るホップ畑、間近に見るホップ
ホップ発見の小道では、まず大きな十字架を目指します。
散策コースのスタート地点からこの十字架までは、とうもろこし畑かひまわり畑*が広がっています。
ホップ畑はまだ少し離れたところにありますが、高さがあるため風景から浮き出るように見えるのもこの散策コースの楽しみのひとつ。ホップの蔓が巻きつくロープは高さ7~9メートルぐらいあるようです。
最初は十字架が小さくしか見えてこないので、一瞬、あんな遠くまで歩くのかと思ってしまうかもしれません。特に真夏の太陽の下では・・・。近づくにつれて十字架も大きく見えるようになり、歩いてきたなと嬉しくなります。
そして十字架の下に到着して振り返ると、そこには絶景パノラマが!
標高240メートルから、180度以上に広がって遥か彼方まで見渡せます。
緩やかな起伏の牧歌的な風景。遠方にあるとうもろこし畑やひまわり畑は縞模様を描くように並んでいます。
大きな十字架の前でパノラマを満喫した後は、まさにホップの世界に入って行きます。
規則正しく並んだホップ。列と列の間に立って見る景色は圧巻です。植物が作り出す軽やかなレースでできたトンネルのようです。風が吹くと、高く伸びたホップの蔓が揺れて、葉と葉が擦れあう音に包まれ、まるで自然界の演奏会に来ているかのようです。
ホップを近くで見ると、葉のへりは、いわゆる切れ込みが複数ある形で、葉と葉はかなり密集しています。果穂の形はアーティチョークに似ているようにも見えますが、アーティチョークとは先端の向きが違いますね。ホップの果穂は、ラズベリーやぶどうのように先端が下に向いてぶらさがってついています。
ホップは雌雄異株というものだそうで、ビールに使うホップは果穂になる雌株だけです。雄株のホップは、円錐花序(えんすいかじょ)と呼ばれる円錐形につく小さな花ができ、果穂にはならないのだそうです。
ひまわり畑*
ヴィンゲルスハイムと近隣地域の農地でのひまわり畑の占める割合はわずかです。
また、輪作が行われているようですので、散策コースにひまわり畑が毎年含まれているとは限りません。
散歩のアイデア
ヴィンゲルスハイムの「ホップ発見の小道」はループコースですが、短くすることも延長することもできます。
アカシア広場に戻る前に村の中心部に立ち寄るのもいいですね。聖ニコラウス教会、村役場(木組みの家のような素敵な建物です)など、外観を見るだけでも楽しいですよ。
アクセス
ヴィンゲルスハイムのアカシア広場。駐車場あり。
お役立ち情報
夏の散策がおすすめですが、木陰は全くないため炎天下を歩くことになります。大きな十字架からかなり離れたところに木組みの小屋があり、その周りの樹木が小さな木陰を作っているだけです。
案内板によると、この小屋は、ヴィンゲルスハイムがワイン生産地だった歴史を伝えるため、2013年に復元されたものだそうです。(ヴィンゲルスハイムはかつて、「ぶとう畑と庭の里)を意味するヴァインガルトハイムと呼ばれていました」。小屋は、農民たちを突然の雷雨などから守る避難所として、また、ぶどうの収穫時の監視員の生活の場として使われていたそうです。
この小屋の前には1593年に建立された小さな十字架があります(2013年修復)。
参考
Sentier de Découverte du Houblon [en ligne]. Wingersheim les Quatre Bans [consulté le 18.10.2022].
Brasserie Holtzmann [en ligne]. [consulté le18.10.2022].
Texte informatif collé sur un mur du Bangertshiesel